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ミラボー侯爵は

 贅沢が祟って大きな借金を抱えていた。ここに目をつけた奥の院代理は、彼の経済的窮地を救おうと持ち掛け、更なる歓楽の道に陥れていく。ミラボーは借金を清算するための会合で、債務を管理しているユダヤ人大金融家の一人であるモーゼズ・メンデルスゾーン(作曲家メンデルスゾーンの祖父)を紹介された。

 メンデルスゾーンはある美貌で道徳心のないユダヤ人人妻ヘルツ夫人を紹介した。ヘルツ夫人はその内、夫と過ごすよりもミラボーと過ごす方が多くなった。ミラボーはすっかりヘルツ夫人の魅力にとりつかれ、完全に泥沼に嵌まった。仕組まれたスキャンダルにまみれ、社会的立場のある同僚らに爪弾きにされ、世に復讐心が抱き、心中に革命に大義を見つける。

 奥の院はミラボー侯爵をイルミナティに参入させ、掟を破れば死の罰則を受けることを条件に、支援する。秘密厳守をしっかりと誓わせた。

 奥の院の課したミラボーの任務は、フランスの革命運動にオルレアン公を引き入れることであった。国王ルイ16世が退位したら、オルレアン公が民主的支配者となることが暗にほのめかせ、その気にさせた。
 奥の院は国王や王妃、何千人という貴族をギロチン台に送り殺害する予定であったにも拘わらず、ミラボー侯爵やオルレアン公にはこれを悟られないように注意を払った。オルレアン公をフランス・フリーメーソンの大棟梁にしたことも、彼を表看板として利用するためであった。

 ミラボー侯爵はオルレアン公を歓楽の道へと誘い込んだ。いかがわしい商売に手を染め、ほとんど成功せず、4年後には莫大な借金で首が回らなくなる。
 革命運動が進み、その中心として活動しているジャコバン党が次々に行っていく衝撃的な残虐行為を見て、ミラボー侯爵は国王ルイ16世に対してはいかなる暴力行為にも反対した。そして国王ルイ16世を逃がして国王軍に保護させる手配を試みた。

 ところがこれが奥の院の知れるところとなり、始末が決定される。しかし公開処刑は出来ない。罪状をでっち上げ、裁判するには時間がなかった。そこで、毒殺した上で、自殺に見せかけた(1791年4月)。1793年1月に国王ルイ16世がギロチンの露と消えるおよそ2年前のことであった。これからルイ16世をギロチンで公開処刑するように持って行く途中で、彼は邪魔な存在となったので抹殺されたのである。

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