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ステインフェルド博士

 昨日の通信に続いて。
 愛児を儀式殺人で殺された父親のシュッスラーが、事情を警察に問いただし始めると、逆に彼が自分の愛児を殺害したと告発され、厳しい尋問を受け、嘘発見器にもかけられたが、当然のことながら、殺害の証拠も出てこない。

 そこで、シュッスラーは解放されると思いきや、今度はステインフェルド博士の経営するサナトリウムに送られた。精神病患者に仕立て上げられたのである。そこで、シュッスラーは電気ショック療法を施されて、その日の午後に亡くなった。儀式殺人を隠蔽するための更なる殺人であった。

 ところで、シュッスラーはアーノルド・リースという獣医師が書いた『ユダヤ儀式殺人』という本を読んで、「もしかしたら自分の子供も『ユダヤ儀式殺人』の犠牲者になったのでは」と思うようになり、騒ぎ出したのであった。

 数週間後、今度は、先の『ユダヤ儀式殺人』を書いたアーノルド・リースが突然死亡した。彼は、ユダヤ儀式殺人の典型例として、シュッスラー事件についての本を執筆しようとしていた。長期間にわたる捜査の間ずっと、リースはこの事件に関する新聞記事すべてを蒐集していた。その量は、新聞切り抜きで100頁ほどもあったが、彼の死後その遺品からこれら全てが消え失せていた。

 一方で、「サン・タイムズ」紙のユダヤ人コラムニストであるアーブ・カプチネットは、ユダヤ企業から10万ドルを調達し、それを未亡人となったシュッスラー夫人に贈っている。カプチネットの娘はハリウッドの部屋で、薬物中毒死しているが、この事件との関係は不明である。
 カプチネットは同じユダヤ人でも、正義感を持っており、この一連の儀式殺人事件には反発を感じていたのかも知れない。娘が部屋で薬物中毒しているが、自殺か他殺かが不明である。ユダヤ社会での裏切りには厳しいものがある。

 ところが、ユダヤ人保安官代理のホルヴィッツは、シュッスラー夫人のもとに留まり続けていたが、彼はシュッスラー夫人からその金をすべて奪ってラスベガスに逃げたと、数日後シュッスラー夫人はある記者に打ち明けている。

 ホルヴィッツの上司である保安官のジョゼフ・ローマンは、ユダヤ人大物銀行家の世話で、カリフォルニア大学の犯罪学研究所顧問という年俸2万ドルの閑職を提供されて、シカゴを離れた。
 その後間もなく、ジョゼフ・ローマンはロサンゼルスで突然原因不明で死んだ。ところが、その死亡記事には奇妙なことに、クック郡保安官としてのローマンの経歴について一切触れていないばかりか、「前イリノイ州出納官」という、およそ出鱈目な経歴を載せていた。

 シカゴで起きた連続儀式殺人との関係を消すため、死者の経歴まで詐称した。どこまでも手がこんでおり、執拗であった。この一連の処理を指揮していたのは、目には見えない奥の院であろう。

 儀式殺人で子供を殺された父親のシュッスラー、彼を監視していた保安官のジョゼフ・ローマン、シュッスラーが読んだ『ユダヤ儀式殺人』の本の著者アーノルド・リースと、この時期に発生したシカゴでの連続儀式殺人の関係者たちは、次々に消されていった。
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