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ソレイマーニー司令官殺害

根は深い。少々長くなるが、イランの歴史を辿ってみる。

 1951年4月、モハンマド・モサッデク博士が、植民地化して石油を独り占めにしていたイギリス(奥の院)を追い出すことを選挙公約にして選挙を戦い、勝利して首相の座に着いた。

 当時はイギリスのアングロ・イラニアン会社(奥の院)がイランの石油利権を独占していた。愛国者モサッデク首相はこれを国有化し、石油利権を取り戻した。
 そこで奥の院の国際石油資本(メジャー)は、イランの石油を国際市場から追い出した。イランの石油を誰にも買わせないことにしたのである。世界の奥の院だから出来ることである。

 イランはたちまち財政難に陥り、そこに奥の院は米国のCIAを使って、イランの軍人や反政府活動家に金をつぎ込み、皇帝派によるクーデターを起こさせ、1953年にはモサッデク首相を失脚させた。その上適当な罪をでっち上げ裁判に掛けて投獄した。
 ここでイランは民主的政権からパーレヴィの王制独裁政権となる。そしてパーレヴィ王は石油産業の国有化を緩めて、米国を中心とした国際石油資本が再びイランの石油を取り戻した。

 こうしてパーレヴィ国王のイランは経済成長を続け、欧米諸国(奥の院)とも友好関係を保っていたが、宗教政策でホメイニらのイスラム宗教指導者と衝突し、パーレヴィ国王の宗教政策に対するホメイニ氏らの反対運動が過激になっていき、遂にホメイニは1964年国外追放処分となる。

 1979年2月、奥の院はイラン国王パーレヴィと宗教者ホメイニとが衝突していることを奇貨として、フランスにいたホメイニをイランに戻らせ、革命を起こさせてパーレヴィ国王を追放した。モサッデクを失脚させた同じ奥の院が、今度はパーレヴィ国王を追放した。そしてホメイニを中心としたシーア派の宗教政権の現政権が誕生した。
 この年11月には、イランアメリカ大使館人質事件が起きる。奥の院は此をどこ吹く風と知らん顔する。奥の院とアメリカを一体と考えると訳分からなくなる。

 パーレヴィ国王時代のイラン国軍は、当然、新たに誕生した宗教革命政権国家に対する忠誠度が低い。そこで、新しく誕生した新政権を守る軍隊として、イラン革命防衛隊が誕生した。従来のイラン国軍とは全く違った存在である。奥の院の作った革命政権(イスラム宗教政権)を守る軍隊である。
 このイランの政治的混乱に付け込んで、隣のイラクのサダム・フセイン大統領がイランの領土を取りに行った。そこで起きたのが1980年のイラン・イラク戦争(イ・イ戦争)である。この戦争は1988年まで続いた。

 1988年イ・イ戦争が終わったかと思うと、今度は奥の院は3年後の1991年、イラクのフセインに湾岸戦争を仕掛けてフセインのイラクを潰した。
 そして更に、2003年3月には大量破壊兵器を保有しているとか言って、奥の院はアメリカやイギリスなどを使って、イラクに軍事侵攻し、イラク戦争を引き起こし、イラク国家を完全に崩壊にさせ、更にフセインを処刑した。

 イラクが壊滅状態になったところで、奥の院はイスラム国(IS)を創設した。トランプ大統領は「ISはオバマ大統領が創設した」と明言している。イラクの軍事力は、湾岸戦争やイラク戦争を経て弱体化していたので、このイスラム国と戦うのに、イラクはイランの革命防衛隊に助力を求めた。だからソエイマーニ司令官はイラクの首都バグダッドにいたのである。オバマ大統領としては、アメリカが戦う代わりに、イランの革命防衛隊に戦わせた。そしてその見返りに、成立したのがイラン核合意である。

 イラン革命防衛隊は、パーレヴィ国王を追い出して出来たホメイニ革命政権、つまり奥の院の作った革命政権を守るための軍隊であるから、奥の院の軍隊である。この奥の院の軍隊の司令官を、今回トランプ大統領が殺害した。トランプ大統領は「戦争を起こさないために殺害した」と言っている。

 戦争を起こすのは奥の院であるが、その実行部隊が今回はイランの宗教政権を守っているイラン革命防衛隊である。この革命防衛隊がこれまでにアメリカ人を多数殺害してきた。奥の院がイラン革命防衛隊を使って、アメリカ人を殺害している。奥の院は何とかアメリカとイランに対して戦争を起こさせたいのである。そのためにイラン革命防衛隊を使って事件を起こす。

 トランプ大統領は司令官を殺害した後、「我々は昨夜、戦争を止めるために行動を起こした。戦争を始めるために行動を起こしたのではない」と言っている。イランとの戦争は望まないという考えも示した。今回の司令官殺害は、トランプと奥の院の戦いである。奥の院としては、この殺害事件を突っ込むと、今回は真相がばれてしまうのである。

 奥の院はイランやイラクの国家を潰し、この地域の資源はしっかり確保した上で、何とか大戦争に火をつけたいのである。これまでも革命防衛隊には多くの事件を起こさせてきた。今のところまだ火が付いていない。勿論、その間、紛争当事者双方に大量の武器を売って商売だけはしっかりしている。売ったものが武器だから、すぐ消耗していつまでも買ってもらえる。奥の院の商売は戦争である。

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